最近、一行日記が多かったので

今日はもう少しだけ何か書こうと思う。
そこで今日読んだ本の感想
デュラララ!!成田良悟 電撃文庫
この人は、キャラクターの動機付けより行動方針を描くのが得意らしい。
いちおうボーイミーツガールなんだけど、キャラクターはまず「好き」だと表明する。
そのうえでそれに基づいた行動をするんだけど、それが誰も彼も人格破綻者なので、壊れた行動ばっかりしていく。
おこる事件も解決方法もどんどん壊れた方向に進む。
その壊れかたを楽しむのが、多分適切な読み方だろう。
2ちゃんではパルプフィクションのテーマが頭の中で響いたというコメントがあったが、そう感じて当然という気がする。
ただ、この人のベースにあるのはパルプフィクションではなくて、ガイ・リッチースナッチの方じゃないか?
パルプフィクションでは、キャラの信念や現状に対する動機が事件によって変化していき、最後に新しいスタートを切る(死んだりもするが)。これを絶妙なカットバックによって成立せしめたのだ。
対してスナッチは、キャラの信念は(ほとんど)変化しない。
カットバックの手法もより強くなっているが、時系列の変化はなく、場面転換が激しいだけだ。
もしライトノベルという土壌でストーリーを組んだら、きっとデュラララ!!のようになるだろうというのが自分の読み。
ただ、この方法は通好みの手法だと思うが、どれだけライトノベルの読者に受け入れられるかはわからない。
実はキャラの心情をあまり語ることをしない点で、読者を置いてけぼりにしてる感もあり、アピール度としては不利ではないかとすら考えている。
まあそれも強いて言えば、というレベルなので気にはならないのかもしれない。
結論としては、この作者は小説家というよりシナリオライター的な要素の強い人だと思う。
年7冊という速筆ぶりも、シナリオライティングの安定した思考があってこそ成り立つのかもしれない。